「父の婚礼」(上司小剣)
隆法と道臣に見られる、父親像としての共通性 「父の婚礼」(上司小剣)(「鱧の皮 他五篇」)岩波文庫 竹丸の父親は人に年齢を尋ねられるのが嫌い。それなりの歳なのだが、未だに若い衆とともに夜遊びに出掛けている。その父親がお時...
隆法と道臣に見られる、父親像としての共通性 「父の婚礼」(上司小剣)(「鱧の皮 他五篇」)岩波文庫 竹丸の父親は人に年齢を尋ねられるのが嫌い。それなりの歳なのだが、未だに若い衆とともに夜遊びに出掛けている。その父親がお時...
きわめてつつましやかな「膳」なのです 「百年文庫049 膳」ポプラ社 「茶粥の記 矢田世津子」 亡くなった良人は、 雑誌に寄稿するほどの 食通として知られている。 同僚たちは良人と 美食談義をしては、 空想の中でまだ知ら...
時代にも肉親にも取り残された「ごりがん」の悲哀 「ごりがん」(上司小剣) (「鱧の皮 他五篇」)岩波文庫 「私」と付き合いのある 老僧・隆法は、 自他共に「ごりがん」と 認める人間である。 息子・天南が 婚礼の日に姿をく...
夫婦の絶妙な関係が見事に浮き上がってくる 「鱧の皮」(上司小剣) (「百年文庫049 膳」)ポプラ社 大阪道頓堀の料亭・讃岐屋の 女将であるお文は、 婿養子である夫に家出され、 一人で店を切り盛りしている。 そのお文のも...